高校留学で返済不要な奨学金について
高校留学など、教育に関する費用は奨学金を得られる場合があります。経済的な余裕がない場合に未来ある学生へと経済面の不安を解消してもらうこちらの制度、ここでは奨学金の種類や、返済不要な奨学金について紹介いたします。
高校留学でも奨学金は存在する
高校留学を考えるにあたってネックなのが、その資金です。
おおよそかかる金額として年間250万円は見込まれており、国によってはもっとかかってもおかしくありません。
安い国で問題ない場合はまだしも、目指したい学校が留学費用の高い国である場合、かなりの負担を強いられます。
高校留学の種類はおおまかにわけて二種類とされており、交換留学と私費留学があります。
交換留学の場合、学校や国が負担してくれる費用があるので、その分安く留学が可能ですが、私費留学の場合全額自分たちでの負担を考慮しなくてはならないです。
交換留学に学校が対応していない、けれど私費留学の場合は金銭面が厳しい、これが理由でいくら才能があっても学べないのかというと、そうではありません。
奨学金が高校留学でも受けられるものとされており、もちろん申込や審査を通過する努力は必要なものの、援助を受ける方法があります。
金銭的な理由で高校留学を諦めている、そんな人はぜひ奨学金についてきちんと調べて、できることをしていくのがおすすめです。
高校留学は未来ある若者を大きく成長させられるチャンスです。
そして、そうした人材を育成するべき、と立ち上がっている機関もあります。
こうした情報をしっかり仕入れていくことで、夢だったこう高校留学が現実のものになる可能性があります。
諦めるのではなく、まずは実践して検討していきたいところです。
どんな人がもらえるのか
一般的な奨学金は世帯収入380万円以下の低所得者の家庭に対して検討されています。
低所得なら確実に受けられるというものではなく、審査を通って学力が認められている場合にのみ支給されてます。
そしてその支給方法にも種類がありますので、きちんと内容を把握しておかなければなりません。
奨学金は便利な制度ではありますが、内容を把握して計画的な利用をしていく必要があります。
中には返済不要の高校留学用の奨学金などもありますので、要チェックです。
奨学金の種類と条件について
奨学金はおおまかにわけて二種類あり、それぞれ違う特徴をもっています。
はき違えてしまうと今後の生活に響きますので、よく内容を把握した上で検討をおすすめいたします。
・貸与型
こちらはあくまでも学費を借りる、という制度で、必ず返済の必要が生じます。
在学中は返済する必要はないものの、卒業後働いて返すお金です。
そして貸付利息がつくもの、つかないものがあるので、そのあたりの把握も重要です。
利子がつくタイプは借りた金額よりも大きな金額を返済しなくてはならない分、比較的選考条件が簡単です。
そのため多くの奨学金制度利用の人は、こちらの有利子型を選しています。
募集をかけている団体も多く、採用されやすいので現時点で金銭的な余裕がない場合はこの有利子型の奨学金を選ぶのをおすすめいたします。
もちろん無利子型のほうが負担は軽いので、こちらを受けられれば理想ですが、選考基準が比較的厳しいためなかなか受けられない、というケースが多いです。
卒業後の生活も考えて借りなくては、今後の人生に影響する可能性があるため、しっかり計画をたてて利用をおすすめいたします。
・給付型
貸与型を利用するケースが多いですが、給付型をとるケースもあります。
こちらは心配されているその後の返済が不要な奨学金となっており、非常に嬉しい大金です。
しかしこちらは借りて返さなくてもいい、という大きな経済的メリットがありますが、そのかわり狭き門でもあります。
受給資格が厳しく、そして貸与型に比べて採用人数が少ない、という厳しい条件をクリアしてようやく給付されるものなのです。
しかし、こちらの条件をクリアできた場合、高校留学を希望する人にとって大きなメリットがある、というのには変わりありません。
また、給付型の奨学金の受給対象枠がひろがったなどの朗報もあって、以前より挑戦しやすくなっています。
精一杯努力して、挑戦する価値があります。
高校留学希望者向けのプログラム
高校留学希望者向けのプログラム
ここでは高校留学者向けのおすすめなプログラムについて紹介いたします。
・UWC奨学生
こちらは高校一年生のみを募集対処としており、世界に17校あるボーディングスクールに二年派遣されます。
奨学金のタイプは四つで、所得と関連して支給額が決定します。
応募と選考基準は過去に同プログラムを受験したことがない、英検試験の成績証明書、そして級やスコアも基準点があり、英検2級およびCSEスコアを1950点以上、TOEFL iBTが61点以上という基準が設けられています。
4種類ある奨学金は日本協会奨学金、カレッジ奨学金、この二つをあわせたもの、そして100%奨学金があります。
負担してくれる金額が大きいものほど、やはり能力や意欲がもとめられています。
自己負担が全てなくなる、というケースは少ないものの、それでも高校留学において必要な費用を、返済不要でもらえるのは嬉しいところです。
支給期間は2年間とされていて、採用人数は15人程度とされています。
・Tazaki財団奨学金
こちらは奨学金としてもらえる額が国内でいうと最高金額であるとされています。
2年間のボーディングスクール、そして3年間の大学費用や生活費を支援してくれるので、こちらの奨学金を得られるとより一層留学に専念できます。
高校1年生を対象としたプログラムで、高校2年から約5年間英国留学の機会を提供してくれます。
応募と選考基準は書類選考と面接、ここで約20名の生徒にしぼられます。
ここから奨学金制度の援助を受けながら語学研修を受講、英語力を磨いてから最終的にIELTS試験を受験します。
最終的には約9名、という狭き門ですが、オックスフォード大学、ケンブリッジ大学などの世界的に有名な大学への入学を目指す人にとってこの上ない好待遇といえます。
家計情報は不問、そしてTOEFLスコアによる応募制限はありません。
・東京都次世代リーダー育成道場
こちらは都立校を対象にしているプログラムで、200名を募集対象としています。
半年から1年の国内研修、そして留学で構成されており、派遣先はオセアニアもしくは北米です。
オセアニアの場合は事前半年間の研修を経ての出発、そして北米は事前研修1年を経て出発します。
一定ラインの英語力があれば英語筆記テストの免除を受けられるので、所持している英語力の証明書を添付し、申し込むのがおすすめされます。
・AFS派遣プログラム
こちらは高校1~3年生を対象としているプログラムで、派遣先は世界40カ国と多様な派遣が見込まれます。
奨学金の額も幅があり、50~全額負担の奨学金制度があります。
出願条件は応募辞典で学業成績が中程度以上、学校長からの推薦があること、そして心身ともに健康であることです。
採用人数は200人以上にのぼります。
海外大学進学希望者向けのプログラム
高校留学の資金よりも、大学後の資金の方が心配……そんな人におすすめなのが海外大学への進学も視野にいれたプログラムです。
高校留学でも大学まで見越した奨学金が得られるものはありますが、より確定されているものは以下のプログラムです。
・JSAAO海外留学支援制度
採用人数は45名と多く、そして年間390万円を原則4年間支給されます。
家庭の年間所得金額は2000万以下で、世界各国の大学を進学先として選んで、留学できます。
・柳井正財団海外奨学金
こちらも採用人数は40人と多く設定されており、そして米国や英国のトップ大学の留学生が対象です。
年間に日本円にして1000万円以上支給されます。
年間所得制限は2400万円以下、支給金額は原則4年間で、英国留学の場合は3年間です。
・グルー・バンクロフト基金
こちらは主に米国リベラルアーツ大学に進学を目指している人が対象の奨学金です。
年間5万ドルの支給、それを4年間うけられます。
保護者の所得制限は年間2000万円です。
リベラルアーツ大学とは学生数が2000人程度の小規模な教育期間、少人数ということで密度が高い教育はもちろん、幅広い学問分野を履修し、有意義な学習ができるとされています。
・孫正義育英財団支援金
25才以下で実績、あるいは特異な能力をもっている人が対象です。
支給金額の上限はなく、支援期間も最長5年間です。
採用人数も若干名となっています。
・リクルートスカラシップ学術部門
理系分野を専攻する人におすすめのプログラムです。
世界大学ランキング上位校が対象で、年間1100万円を支給、こちらには生活費20万円も含まれ、保護者の所得制限はありません。
採用人数は6名程度とされています。
こうした種類があり、それぞれ出願条件・選考基準も異なります。
大学も確実に留学したい、そのために奨学金が必要という場合は、これらのプログラムについて専用窓口での相談をおすすめいたします。
給付型奨学金を受けるためできること
給付型奨学金はチャレンジしやすくなっていますが、だからといって何もしないわけにはいきません。
高校生ということでできることはないかというとけしてそうではありませんので、ここではできることについて紹介いたします。
・成績
奨学金を給付してもらう対象になるには、まずは成績が優良である、というのが条件です。
平均水準以上であることが条件としていることが多いので、とにかく勉強し、できるだけ成績上位者になる必要があります。
かといってすぐに成績は上がらないものなので、できるだけ早い段階から勉強にしっかりと取り組み、奨学金を意識した計画を立てておく必要があります。
・意欲
自分の将来に意欲的な人間ほど、奨学金を受け取りやすいです。
というのも、こうした審査の時に面談の実施やレポート提出の必要があります。
そしてそのときに、いかに自分の将来のイメージを具体的にしており、そして大学などに進んだ場合どういう風に何を学ぶかなどを、しっかり頭の中で組み立てているとやはりそれを伝えやすくなります。
また、その意欲は目標に向かうためのモチベーションとなるもの、これを人の言葉ではなく、自分の言葉で伝えられるようにしておくのが大事です。
そうした姿勢から意欲がくみ取られ、面談などで成功しやすくなります。
また、この意欲の持ち方はいざ奨学金を受けられて、留学生活が始まった後にも大事です。
モチベーション次第で高校留学はより有意義なものにできます。
・家族との相談
高校留学は本人だけの問題ではなく、家族全員の問題です。
親の経済状況など、聞くのは勇気が必要ですが、本当に奨学金を受けるべきかどうかを相談する必要があります。
奨学金の申し込みは世帯収入、そして資産の情報が必要で、それは本人だけでできるものではありません。
相談する場合は奨学金について事前にネットで情報を仕入れたり、カウンセリングセンターや学校の先生と相談し、理解を得られるよう知識を持っておくのがおすすめです。
事前にリサーチをした上で、親に相談、理解を得られるようになる必要があります。
高校留学は一大決心ともいえます。
そしてその際に必要になる費用を給付型奨学金でまかなう場合は自分だけではなく家族の問題にもなっていきます。
とはいえわからないことが多いもの、そんな時は留学に関して専門的なカウンセリングをしている機関に相談し、最善を探していくのをおすすめいたします。
今まで何人もの留学生を高校留学へと送り出した、その知識をもってさまざまな相談に乗ってくれます。
その結果高校留学が叶ったというケースも少なくありません。
難しいケースについても、専門家と相談の上、道がひらける可能性があります。
高校留学に使える返済不要の奨学金についてのまとめ
給付型奨学金は狭き門ではありますが、そこには大きな経済的なメリットがあります。
貸与型の場合、比較的簡単に借りやすいですが、卒業後に働いて返済しなくてはなりません。
もちろん借りたお金なので、それは必要なことですが、できることなら返済しなくて済むのが理想です。
そんな給付型奨学金は狭き門ではありますが、現在比較的チャレンジしやすくなっています。
諦めるのではなく、まずは相談の上挑戦をおすすめいたします。
卒業後の暮らしを見据えているのであれば、なおさらおすすめしたい方法です。